ハーバード大学卒業生を調査した結果、10年後目標を紙に書いていた3%の卒業生は、残りの97%の卒業生の10倍の収入になっていた調査があります。
経営者には、目標が必要です。
目標が明確ならばやるべきことがはっきりします。
目標設定の必要性について、「不思議の国のアリス」の中の、アリスとチェシャ猫との会話があります。
アリス:道を聞いてもいい?
チェシャ猫:どこに行きたいかによるよ
アリス:どこに行きたいかわからないの
チェシャ猫:ならどうでもいいよ。どこに行きたいかわからないなら、何の道を選んでもそこにたどり着けるんだから
チェシャ猫は、目標がなかったら、何をやっても良いし、何もやらなくても問題ないと言っています。
目標をたてない会社経営は、成り行き経営です。起こった事象に対して対応しているだけでは、変化の激しい今の時代に安定的な経営を行うことは難しいです。
カリフォルニア・ドミニカン大学の心理学者ゲイル・マシュー教授が「書くこと」と「目標共有」の効果を科学的に証明しています。
「単に目標設定するだけのグループ」と「目標を紙に書き、誰かに伝え説明し続けたグループ」の比較実験の結果は次のとおりです。
目標設定だけしたグループの目標達成できた割合は約35%。
定期的に報告するグループの目標達成できた割合は70%以上でした。
まず、目標を設定すること。そして、経過報告することにより、目標達成の確率は飛躍的に高まります。
経営で言えば、経営計画をたて、スタッフと共有し、毎月の状況をスタッフに説明を続けることにより、業績をアップさせることができます。
経営計画をたててみたいけれど、どうしたら良いかわからない方へ説明します。
経営計画を立てる時、一般的には売上高から順番に決めていきます。
「今期の売上高が100だったから、来期の計画は20%upの120にしよう」というぐらいに。
会社経営で、いちばん大切なのは利益です。売上高から決めていき、利益まで計算してみたら、結局赤字だった。となると、計画を立て直さなければなりません。
何回も修正するのは、時間も手間もかかってしまいます。そこでどうしたらよいかと言うと、利益を先に決めちゃいます。
経営コンサルタントの神様一倉定氏は、「経営は逆算である」と言っています。
まず、利益を決めましょう。
利益①を決めたら、営業外費用②と営業外利益③及び期間費用(⑥~⑨)である経費をいくら払うかを決めていきます。
利益と期間費用が決まったら、稼ぎ出さなければいけない粗利金額⑩が決定します。
粗利金額が計算できれば、前期の粗利率を用いて、目標売上高⑫を計算することができます。
Ⅰ利益の決定
Ⅱ期間費用の決定
Ⅲ利益+期間費用=粗利金額
Ⅳ粗利金額÷前期の粗利率=目標売上高
ざっくりと、4段階で目標利益金額まで計算できます。
まず、利益を決めろと言われても…。という方もいると思います。次に利益の決め方を説明しますね。
現在、赤字の会社は、「まずは利益がとんとんに持っていこう」というのも立派な目標です。
借入金を返済している会社は、次の算式を参考にして目標の利益を計算してみましょう。
(1年間の借入金元金返済額-減価償却費)÷0.7=目標利益金額
この算式で計算した目標利益金額は、借入金の元金返済をして、税金を払ったあとの現金預金を減らさないための利益目標です。
借入金の元金返済は、税金を払ったあとの利益で返済していきます。経費の中で、減価償却費は、現金の支払いが伴わない経費なので、控除します。最後に0.7で割り算するのは、今の法人税の実効税率が大体30%なので、0.7で割返すことで、税金を払う前の目標利益を計算することができます。
ここまで、読んでみて、業績アップのために経営計画をたててみたいと思ったけど、一人で計算していくのは難しそうだなぁと思ったあなた。
2005年の開業以来、のべ1000社以上の決算をお手伝いしている税理士関口義宏が代表の和み税理士つくし野オフィスが全面的にサポートします。
2期分の決算書をお預かりさせていただき、私どもが、貴社の状況を分析します。その後、Web会議を利用して、経営計画が完成するまで完全サポートします。さらに、その後2ヶ月間作成した経営計画をどの様に活用するかもサポートいたします。
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私は、大学卒業後トラックの運転手となり、ヤナセの車を運んでいました。
車を運ぶ仕事は、お昼すぎに始まり、仕事が終わるのは遅いときには、朝明るくなるまでかかることもありました。
自分の体力では、一生続けていく自身がありませんでしたので、自動車運搬の会社は退職して、税理士を目指しました。
税理士試験は、11科目のうち5科目合格することで、税理士になる資格がもらえます。私は、トラック運転手をやめて1年間は勉強に専念し、最初の年の試験が終わってから、地元の会計事務所へ就職し、働きながら税理士を目指しました。
当時の仕事は、お客様のところへ行き資料をお預かりして、事務所へ戻ります。お預かりした資料を処理して、翌月にお客様のところへお預かりした試料を処理した試算表を持っていき、試算表を渡して、資料をお預かりするを繰り返していました。
試算表を渡しても、会社は、黒字か赤字かを伝える程度のことしかできずに、お客様の役に立っているのか疑問を持ちながら、働いている状態でした。
一方の税理士試験は、試験を受け始め最初の3年間は1科目も合格しませんでした。
迎えた4年目、「今回1科目も合格できなかったら、税理士になるのは諦めよう」と決心して受けた結果、2科目合格しました。
合格した次の年1科目合格。その次の年に2科目合格して、無事に税理士になれました。
税理士になってから、経営・会計の参加型のセミナーのMGに出会い、「経費の中でも使うべき経費がある」ことや「安定的な経営を行うためには経営計画が必要」なこと。経営を行う上での現金の大切さなどをセミナーで学び、そして、会計事務所の経営で経験を重ねました。
いろいろなことを学び、経験の中から、経営計画を立てることは、会社経営にとって重要なことであるので、今は、顧問先の経営者をはじめ、より多くの経営者の経営計画の作成を勧めています。
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